●令和元年12月議会質問原稿

天皇陛下の第126代即位に関し、世界のほとんどの国から国王や元首、首脳などが来賓としてお祝いの席に出席されました。天皇陛下は日本国を日本国足らしめる存在であり、神武天皇以来男系で2679年という歴史を有する世界最古の国際儀礼上世界最高位のお立場にある、日本国、日本国民統合の象徴であります。
天皇のみが着用する黄櫨(こうろ)染御袍(ぜんのごほう)で即位の儀に臨まれた後、絹の白装束で天照大神や八百万の神々と今年収穫された新米などを共に召し上られ神武天皇以降の歴代天皇や天皇と国民を繋ぎ国民と一体となる天皇になるための儀式である大嘗祭も、厳かに執り行われたところであります。
一連の儀式を見て、国民の安寧と平安、五穀豊穣を願う、祈る存在としての天皇を戴く日本は、古事記にあるように神々の国だと痛感するところであります。
日本人が日本人として一体となった令和元年の今年、日本でラグビーワールドカップが行われ、初めてベスト8まで勝ち残りました。私も、ロシア戦から初めてラグビーの試合を観戦しました。ラグビーはイギリスイングランドのパブリックスクールのラグビー校が発祥のスポーツで、武器のない格闘技と言われています、元々白人だけのスポーツでしたが、大英帝国の植民地にも広がり、今日の姿に成長したものです。
日本は後発国でしたが、近年の成長は目覚ましく、今後が楽しみであります。
ラグビー日本代表団は、日本に帰化した外国人もいますが、感銘を受けたのが、ニュージーランド出身のキャプテン、リーチマイケル選手の発案で、国歌君が代の歌詞のさざれ石を祀る神社に参拝し、試合前の国歌斉唱には全員が歌う姿がテレビで放映されていました。感動でした。
ラグビー精神は「one for all all for one」。宗主国や植民地、人種の違いを乗り越えようというのがラグビーの精神、肌の色が違おうが国籍は違おうが、日本国を背負って立ち、各自が最後の最後まで与えられたポジションを守り切り自分に与えられたしっかり果たし日本国のためにワンチームで行こう、という気概をこのチームに感じました。奇しくも、ワンチームは今年の流行語大賞にも選ばれました。
教育長、ラグビーワールドカップの試合は見られましたか。人類皆家族という日本建国の精神八紘一宇に相通じるものがある、ラグビー精神を受け継ぐ日本選手達の言動は、移民政策を採用した日本の今後の在り様を提起しています。
教育として生かすべきだと思いますが、いかがお考えかご所見をお伺いいたします。

大野見久万秋出身の南部甕男についてお伺いいたします。
南部甕男は、土佐勤王党に加盟し脱藩、三条実美の衛士となり、後、戊辰戦争に従軍、維新後は新政府に出仕し、大審院院長今の最高裁判所長官ですが、枢密顧問官等を歴任し、男爵になられた、大野見の英雄であります。この南部男爵の事績や功績について、大野見にどのように伝えられているかお伺いいたします。生家は、現在どのような状態でしょうか、どうなっているのでしょうか、お伺いいたします。
中土佐町で、多分唯一の幕末の志士ではないかと思います。激動の時代に身を挺して国事に奔走した心意気を教育でどのように教えているか、お伺いしたします。欧米列強に開国を迫られ、まさに日本国の消滅の危機の時代。日本国が沸騰した時代であり、血が滾る思いの若者の一人に南部甕男がいます。なぜ、大野見で彼だけが脱藩という重罪を侵してまで国事行動に出たのでしょうか、私も高知市の時代から続けて、坂本龍馬の事績を子供たちに伝えるべき龍馬脱藩祭を主宰しています。脱藩してまで成し遂げたかった新国家の建設が龍馬の夢でありましたが、少年南部甕男はいかばかりだったでしょうか。

上ノ加江公民館と上ノ加江地区地域づくりについてお伺いいたします。
上ノ加江公民館は、改築工事中で、来年完成予定です。公民館は社会教育法の位置付けられた教育施設で市町村設置であり、社会教育法の施設として、当然の事ながら、社会教育、主に生涯学習に関わる事業が主として実施されています。
ところで高知市では、公民館の名称の下に、自治会や町内会機能を有していて、中土佐町でいう常会と同じ機能があります。
公民館の今後の在り方や機能の先進事例を見ていますと、地域づくりを目指すものがおおくなっており、学習や生きがいづくり、地域文化の伝承などという従来の枠から変化して来ています。鹿児島県鹿屋市の柳谷自治公民館通称「やねだん」では、営利活動を行う、地域振興策に取り組む、まさに地方創生を地で行く公民館であります。大野見庁舎の機構改革でも大野見地区の振興を図る機構にという意見と上ノ加江の振興を言うのは、同一の地域の声です。国は、地域リーダーとして社会的承認が得られるように「社会教育士」という資格制度を来年から実施されるとも伺っています。
11月13日の上ノ加江で行った上ノ加江中学校休校や上ノ加江公民館改築に関する行政懇談会では、衰退が激しい上ノ加江の現状を憂い、上ノ加江中学校裏山での高台住宅地造成や子供手当創設など地域振興への対応を訴える声も出されたところで、中学校グラウンドの総合運動場化やスポーツセンターに健康増進設備再整備の意見交換もありました。
上ノ加江中学校の休校問題では、後に、上ノ加江くろしおふれあい祭の会場で、教育委員会の説明に心服できないという声を議員として頂いたところです。
そこでお尋ねいたします。上ノ加江公民館の改築に合わせ、支所も併設されるところであり、上ノ加江の公民館に地域振興の機能も含めた上ノ加江の振興を図る手立てを講じる手立てについて、人員配置を含め公民館機能を高化するお考えはないか町長にお伺いいたします。上ノ加江中学校休校問題に例をとれば休校決定を通知するのではなく、問題となる以前に膝を交えてどうするかを話して頂きたかったとの不信感を抱いた事もあり、前もっていろいろ協議のできる協議の場を求めているのです。
人口規模は上ノ加江と大野見の比率はいかがでしょうか。現行体制でもそうですが機構改革案でも、なぜ上ノ加江には大野見と職員配置が異なるのか、票の下の平等という事が裁判にもなっていますが、人口比で見てみても不公平だと思うところですがお考えをお伺いいたします。

忠魂墓地の整備に関してお伺いいたします。
忠魂墓地は日清戦争や日露戦争から先の戦争大東亜戦争までに戦死された方々を祀る、かつては公営墓地として公的に管理されていました。
しかし、その後、あるいは敗戦に伴う占領中の昭和21年に制定された日本国憲法に定める政教分離条項か、あるいは敗戦という事で戦争への忌避からか、従軍されて散華された方々を弔うという儀礼が失われ、遺族も高齢で、墓参に訪れる人も減少し、管理が行き届かない状態です。上ノ加江の忠魂墓地を一人清掃している人がいて、やむにやまれずお手伝いした事でしたが、忠魂墓地や忠霊塔の現状はどこの市町村も同じです。
こういう状況にあって、県議会では、戦争の記録として史跡として子供たちの清掃活動などで維持管理はいかがかという声もあるというふうに伺っています。中土佐町でも高知県護国神社に祀られている方々は、649柱です。その方々の捧げられた尊い命のお陰で今の私たちの生活があるわけであり、その方々は、私たち公的資格で働く者として法的に属している国家の命令で赴いた方々であります。
教育長、昭和49年高知県発行の「雄魂高知県郷土戦史」を読まれたことがありますか。その本には、「日本は物心のすべてを捧げて世界の民族の自由と独立を勝ち取った」とあります。残念ながら、戦後、こういう考えは歴史修正主義とされていますが、日本は旭日旗の下に、人類史に輝くべきすごい事をしました。その方々の眠る場所を維持管理するのは跡を受け継ぐ私たちの責務だと思うものであります。
11月11日には戦没者追悼式を中土佐町として挙行したところですが、御霊の眠る墓地も同様であります。戦争の史跡として整備等の維持管理を行うのは当然の行政責任だと思うところですが、いかがお考えかお伺いいたします。

防災対策についてお伺いいたします。
今年の台風災害は近年にない災害を日本列島にもたらしました。
千葉県では台風15号で電柱や樹木の倒壊という想定外の災害があり、台風18号、19号や台風21号の大雨で堤防決壊や河川氾濫による浸水で人命や家屋の被害が発生しました。
今年の災害は、従前の経験値では想定できないものが多くあったように思います。中土佐町でも台風18号19号で被害を受けたとの報告を受けたところであり、台風18号では大野見押谷で土砂災害も起きたとの事です。
災害対策は一義的には市町村であり、広域的に県だと伺っていますが、一部、政府に対する批判もありました。台風15号では電源喪という事態も起きましたが、このような規模の災害ではどのように対応するのか、ダメージコントロールはどこまで可能かお伺いいたします。近年の気候変動で従前の計画を上回るまさに想定外の災害が起きて来ていて、防災計画の大幅見直しも必要かと思います。
想定外の災害頻発の今日、電源確保等も含め、初歩的に取り組むべき市町村として中土佐町の気候の激変に対応した防災対策についてお伺いいたします。

人口問題に関してお伺いいたします。
人口減少は日を経るごとに実感として身につまされるものがあります。
ついこの前まで、あそこにはおじいちゃんおばあちゃんがいた、そこにはおばあちゃんが一人暮らししていたのにと寂しさが募ります。
勿論、町としても手を拱いているわけではなく、少子高齢対策は、まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき対応していることは重々承知しているところです。
ですが、傾向としては人口減に歯止めが掛からないのも実態であり、事実であります。
そこでお尋ねいたしますが、町全体として10年後、20年後、30年後、人口ビジョンの2060年の矢井賀、山内、大河内、押岡、笹場といった地域別の想定人口とその年少人口、生産年齢人口、高齢人口の割合の推計数値をお伺いいたします。
中土佐町の主力産業は農業と漁業ですが、将来予測に基づく就労状況はどのように推計し、就労者確保対策を講じられているのでしょうかお伺いいたします。
誘導政策、インセンティブ戦略を取らなければ、現状では、これらの産業は消滅しかねません、いかがお考えか、その対応策を含めお伺いいたします。

高齢化過疎化に伴い休耕田等の田んぼの未活用未利用が大きな課題です。
私のところも、今まで耕作していただいていた方の健康上の都合で、今年休耕となりました。そのまま放っておくと耕作困難な荒れ地になってしまいます。4反ほどの田ですが、近隣の人に鋤(す)いてもらいました。JAの工作単価1反約1万円で依頼です。年二回ほど鋤が必要との事で10万円近くの出費。年金暮らしでは懐の痛い話です。
自分で耕せ、ですが、無理からぬ話というもの。
多かれ少なかれ、私のような状況の人が多くなるだろうと思います、米を作ればまだしも、休耕にして、近所迷惑ともなる荒れ地にしないためには、経費が掛かるのです。
そこで質問ですが、先だって、高知新聞に、JA土佐くろしおの「みのり」の代理耕作の取り組みの記事が載っておりましたが、休耕田にしたくない農家で希望者のこうした取り組みで米を作ってくれる事業に参加できる仕組みを推進してはいかがかと思うところですが、ご所見をお伺いいたします。



 

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プロフィール

佐竹敏彦(さたけとしひこ)

田舎の宝を取り戻す!

昭和26年7月11日生まれ、上ノ加江小中学校、須崎高等学校、高知大学卒業。高知市役所に35年勤務。

高知市社会福祉協議会の職員としての経験やノウハウを活かし生まれ故郷中土佐町の発展を目指す。

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