●中土佐町議会
 令和6年12月議会質問原稿

1.防災対策監の配置
以前に高橋雄造議員が質問されたかと思うところですが、南海トラフ地震の発生可能性が高まってきた中、防災対策に長けた専門家の配備は特に重要だとおもうところで、改めて質問いたします。
9月議会で、自衛隊との情報の連携の重要性について質問したところですが、日常の訓練を通じて体得している人は非常事態の際には特に求められる能力、資質であります。
高知市に配置されている人たちと第50普通科連隊の記念日の際にお伺いしたことがありますが、行政職職員も大いに助かっているという事でした。
中土佐町でも、そういう点で重要な役職の人だと思うところで、早急に配備すべきと思うところですがお伺いいたします。
配置できないとすればその理由についてもお尋ねしたします。

 

2.事前復興計画
黒潮町で先だって事前復興計画を策定総額445億円でうち町負担178億円という高知新聞の記事が出ていました。黒潮町は想定津波高34メートルと全国一の高さの地域で早急な高台造成と移転が求められる地域です。中土佐町の地形的には視察に行った東北南三陸町と同じ構図で南海トラフ地震が起きれば状況は想定されます。リスクマネジメント、ダメージコントロールから早急な対策が必要です。起きてからでは遅いと思います。黒潮町がやった。中土佐町ができないはずがありません。当然事業費は膨大で町費で賄えるものではありません、どうしても国の予算に頼らざるを得ません。そこに国土強靭化事業があり、積極財政の考えがあります。尾崎正直衆院議員は選挙演説で事前の復興制度もあるという事をおっしゃっておられました。国に国土や住民の生命を守る予算という視点で要望すると共に、そういう中で町が青写真を描き住民に提示すべきです。いかがでしょうか。

 

3.高知県人口減少対策総合交付金
本県では、34歳以下の人口が直近10年間で約2割減、20歳から34歳は年2400人減少という若年層の人口減少が深刻化しているのがご承知のとおりで、そのため県ではこうした現状に歯止めを掛けるべく、地域に若者が定着し持続可能な人口構造への転換を図るため、市町村と目標を共有し連携して取り組もうと高知県人口減少対策総合交付金制度が設けられたところです。
お伺いいたします。
町ではこの制度にどのような形で関わっているのか、今後どのような形で県と歩調を合わせて取り組んでいく予定なのか、町として独自政策を検討されているのかお伺いいたします。

 

4.久礼八幡宮御神穀祭
久礼八幡宮御神穀祭も今年も厳粛に執り行われました。言うまでもなく土佐三大祭りの一つであり、火祭りとしても有名です。かつての時代からは少し寂しくはなっていますが、露店が並び大勢の人が訪れ賑やかです。
この祭りは久礼郷、今で言う久礼、上ノ加江、安和の五穀豊穣を祝う最も重要な祭りであり、地域を繋ぐネットワーク、共同体の核でありました。この御神穀祭のメイン行事でもある深夜のたいまつ行列は、奉堂地を持つ家が頭屋としての資格を有する限定された由緒あるものでした。
久礼八幡宮御神穀祭は、太閤検地、土佐では長宗我部地検帳で有名ですが、現在徴税システムにいう土地台帳ですが、これに基づく税制度以前の公領荘園制における徴税システムを今に伝えるものだというもので、非常に貴重な文化遺産であり、祭りそのものも8月1日に行われる八朔や8月15日の放生会という日本の古来から続く儀式を残していると、国立歴史民俗博物館の新谷尚紀教授による調査報告にもあったところです。
私も領主の子孫の一人として、御神穀祭の日に、五穀豊穣の祝いの儀式を裃着用の下に神官と行うところです。五穀豊穣とは、地域が豊作で住民の生活が安全で無事、新年を迎えることができるということを祝うものですが、この五穀豊穣を祝う祭りは、近年まで地域にとっては重要な大切な儀式でした。たいまつを繰り出して地域挙げて祝うこの祭りも、時代と共に衰退し、安和が中止で、同じ中土佐町にありながらも、上ノ加江も今では中断した状態です。
理由は、行事を司る神官や裁許人が上ノ加江分にはいない、などと言われています。
神官は確保できる状況にありますが、後は、町としての後押しがあれば、上ノ加江からも実現可能な状態までこぎ着けたところであります。
この人材確保の問題ですが、久礼でも頭屋を含めのっぴきならぬ状況になっています。町が人員確保に尽力してほしいという相談をいただいています。
文化庁の記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財としての価値の高い久礼八幡宮の祭りであります。神様事という神道の宗教という問題以前の日本の文化であります。私たちの生活そのもの、ふるさとであります。
社人などの人員確保にはシルバー人材センターにお願いするなどの方法もあると提起も頂きました。宗教事業だということで対応に二の足を踏んでいる状況ではないと思います。日本国を代表する貴重な文化遺産を継承していくためにもプロジェクトチームを設置するなどして存続のための検討をすべきではないでしょうか。
町として維持継承していくためにどのように努力されていくお積もりかお伺い致します。

 

5.大谷翔平選手の人と柄と大谷邸報道に見る日本人の人権
大谷翔平選手の活躍凄いですね。今年度のアメリカメジャーリーグでMVPを受賞しました。ホームランと盗塁で45−45という大リーグの記録はもちろん、50−50を超えたところであり、最終的には54−59ホームラン54本59盗塁と大リーグ始まって以来の大記録を次々に打ち立てました。ワールドシリーズでも脱臼というアクシデントを負いながらも優勝に貢献、毎日ワクワクして見ていました。
その大谷選手に関して質問いたします。
大谷選手は高校時代に一流選手を目指し「目標達成シート」を作成し、練習に励んだということです。このシート、目標達成に必要なことを書いたもので、真ん中に「ドラフトでプロ野球8球団から一位指名を受ける」と書き、それを実現するための体力づくりやメンタルなど8つの中目標を設定しています。それぞれの中目標に対して最終的に73項目のやるべきことを設定し日々取り組んで来たということで、これは光村図書出版の小学五年生向け道徳教育教科書「道徳5 きみがいちばんひかるとき」に採用されています。教育長、この教科書はご存じでしょうか。中土佐町での採用状況はいかがでしょうか。最近の教科書は、唯物史観で人物の伝記ものなどは削除される傾向にあると伺っています。郷土の英雄坂本龍馬もその事績含めて教科書から消えていくという方向にあるとも聞きます。そういう中で目標を立てて頑張る、人として当たり前の教育がこの教科書には載っています。いかがお考えでしょうか。お伺いいたします。
日本ではほとんど報道されていないと思いますが、アメリカで大谷翔平選手の自宅報道を巡って大変な事態が起きました。
ヘリによる邸宅の空撮や近隣の人へのインタビュー、本人は全く身に覚えのない野球賭博の疑惑などが報道され、大谷選手の所属するドジャース側が日本のテレビ局2社、日本テレビとフジテレビをメディア資格剥奪つまり取材拒否処分にしたというものです。
アメリカでは、有名人の家族の誘拐事件など様々な凶悪犯罪が起きており、プライバシーの暴露はご法度です。野球賭博報道では、事実確認を徹底せずに伝聞や憶測でさも野球賭博疑惑があるかのように報道、テレビを見ていた者にとっては、賭博の渦中にあるような印象を受けられた内容だったように思います。
こういう事があったことを知っていますか。
これらはいずれも信用失墜、名誉棄損、人権侵害の事案です。アメリカならではの事情もありますが、アメリカ人と日本人の人権感覚の違いに大きいものがあります。
日本のテレビ局のこの行為は、視聴率アップのためなら何でもありという姿勢の表れです。個人のプライバシーや人権はどうでもいいという事が背景にありはしないかと懸念するところです。大谷選手のこの問題に限らず、私も知り合いがマスコミの取材合戦で酷い目に遭った実例を知っています。沖縄波照間島で犠牲になった女性の実家に家族の許可や了解を得ることもなく、ずかずかと敷地内に入り勝手に写真撮影をしていました。家族のプライバシーや人権など有ったものではありません。
こういった実態を知るに付け、国際標準の人権が、日本人には十分に認識されていないのではないでしょうか。同じように、利益追求オンリーで人権を蔑ろにしているのではないかという事例が、ウイグル人の人権問題です。太陽光発電のソーラーパネルなどウイグルでウイグル人の劣悪な労働環境で作られる製品が問題視されています。経済学にいう搾取の問題とも絡む問題ですが、欧米では人権問題として当たり前の事ですが、我が国では、ピンと来ていないように思います。
いずれの問題にしても、国際標準の人権問題に取り組まなければ、知らず知らずに差別の国として、人権に疎い国との誹りは免れないのではないでしょうか。
人権教育研究協議会の議題として、国際感覚を学ぶためにもこのような事案を取り組んでもいいのではないかと提案する次第ですが、いかがお考えかお尋ね致します。

 

6.上ノ加江小学校の将来像
昨年令和5年6月議会で、小学校がなくなれば地域コミュニティは崩壊し消滅化の道をたどる、防ぐには小学校の存在が欠かせない、上ノ加江の再生と併せ、上ノ加江小学校をユニークな学校にして児童を全国から集めてユニークな学校づくりができる人材を募集してはどうか、という趣旨の議会質問を議会だよりで載せました。これを読んだ地域の人達が、いい提案で、ぜひとも取り組んでほしいという声を先だっての敬老会の後で言われました。
皆、上ノ加江小学校の存続に関心を持っています。
お尋ねいたします、現在の上ノ加江小学校の全校児童数は何人で、いつ頃休校廃校の見込みでしょうか。上ノ加江小学校の将来の存続の可否有無を併せてお伺いいたします。
昨年6月議会でも提起したように、小学校が無くなると地域コミュニティは衰退します。人口千人を切った上ノ加江地区は消滅化の危機にあります。提起したようにユニークな学校を作り全国から児童を集めてくる取り組みはいかがでしょうか。
上ノ加江にはITのリングロー株式会社があります、英会話ができる人もいます、デジタル化と英会話能力開発というそういう点でも人材を募集できるのではないかと思うところです。お伺いいたします。


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プロフィール

佐竹敏彦(さたけとしひこ)

田舎の宝を取り戻す!

昭和26年7月11日生まれ、上ノ加江小中学校、須崎高等学校、高知大学卒業。高知市役所に35年勤務。

高知市社会福祉協議会の職員としての経験やノウハウを活かし生まれ故郷中土佐町の発展を目指す。

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