●中土佐町議会
 令和6年6月議会質問原稿


1. 人口減少問題
一国を見よったらそればあの論になってしまうがぜよ、そうなったらいかんき、広い世界を見て見識を広め天から授かった己の知を開かんといかんがぜよ、ヤクルト1000のコマーシャルで流れ坂本龍馬の言葉です。江戸時代のこの時代で藩がクニであった時代に、日本、世界を見ていた龍馬は凄い。その活躍は、船中八策に表れています。
これをちょうど人口減少問題の研修で東京で見ました。
今回の質問に至る暗示ではないかと不思議なものを感じます。
厚労省が令和5年の日本の合計特殊出生率1.20と発表、過去最低です。県は1.30でわずかに国を上回ってはいるものの、依然回復の兆しは見られません。
これに先立つ4月24日、人口戦略会議が2050年までに消滅可能性のある自治体が公表されましたが、それによると県内34市町村のうち7割を超える25市町村が消滅可能性と判断され、我が中土佐町は上から6番目の位置です。年間150人を超える人口消滅です。次世代が増加しない限り何年後に中土佐町が無くなるか、一目瞭然です。
原因には町としてどうすることもできないようなベクトルが働いていることもあります、東京一極集中という現実で、ブラックホール現象という概念も提起されました。宇宙のブラックホールのように若者を飲み込み浮かび上がってこないという状況を指します、東京が少子化の大きな原因ともなっているとの指摘は以前からありましたが、今回改めてブラックホールという言葉で問題提起されています。6月11日の高知新聞には、東京一極集中止まらずの見出しで、地方の東京移住傾向に歯止めがかからない実態を記事にしています。
このデータを見て、町長の感想はいかがか、お尋ねいたします。
このデータは、20代30代の女性が2020年と比較して50%以上減少するという事を前提にしたものです。この年齢層は出産可能な女性たちという事を意味します。
女性を確保することが重要だという事でもあります。いかに町に女性を取り込み、次世代育成を図るか、そういう事が喫緊の課題だという事です。
この対策にはそれぞれの地域の事情や実態に即したものが重要だと、副議長の増田寛也元総務大臣が解説されておられましたが、我が町には我が町のやり方があるということです。
3月議会で、越知町が作製した常会別5歳階級別人口表を我が町でも作れないかいと尋ねたところ、町民環境課長が早速作成してくれました、お手元に配布のとおりです。
この資料を見ると、もはや地域そのものが消滅するというところが一目瞭然です。
この資料等に基づき、議会と一体となった町独自の対策が必要ではないかと思うところですが、町長いかがでしょうか。
以前にも本会議で述べたところですが、久礼出身の女性から、「子供を持ちたくない理由の半数以上が、この国に希望が持てない、からです」という事の本質を言う声をいただきました。「馬を水飲み場までは連れて行くことは出来るが、水を飲ますことはできない」です。子供を産む産まない、は当の女性たちの選択に関わる問題です。
水を飲んでくれる、この事が重要なキーワードです。当該の女性たちがどうすれば我が町、我が国の将来を担う次世代育成に真剣になれるか、役場や議会がいくらあーだこーだと頭をひねくっても当の女性たちにその気が起きなければ絵に描いた餅にすぎません、そういう意味で、町一丸となって今に生きる者が真剣に取り組まなければどうにもなりません。
私も参加している「地方議員ゆずの会」の勉強会を5月2日に開催し、当日のあらましは3日付高知新聞でも報道されたところですが、その締めくくりの挨拶で、「子育ては楽しい、が、協力者が必要で、お金も掛かる」という言葉を発せられました。
全町的取り組みについて、町長どのように考え、どのように進めていきたいかお伺いいたします。

 

2. ジモッペイとデジタル化
プレミアム商品券の販売が始まりました、初めての試みとして高知信用金庫が実施する地域通貨ジモッペイを活用した取り組みがなされました。
デジタル自治体化を進める立場としては大いに賛成するものではありますが、お叱りの声もいただきました。
ジモッペイを扱えない人に対する配慮がないというものです。
確かに、ペイペイやジモッペイなどのようにキャッシュレス化ノーマネー化は時代の潮流であり、日本はその点、デジタル政府化と共に大変遅れているところで、早急に進めて行かねばならないところです。特に、ジモッペイは地域通貨として県内で流通させるもので、県民の富の県外流出を防ぐ大きな役割を持っているものです。
ですが、対応しきれない人に対する手立ても一方では講じるべきではなかったか、と反省するところです。
ガラケイは勿論のこと、スマホでもジモッペイに行き着かない人に対する取り組みを行うべきだと思います。
幸いにことに、我が町にはリングローがIT研修などを手掛けております。リングローと連携して、デジタル化に向けた取り組みを推進すべきではないかと思うところです、日高村ではスマホによる行政サービス化が進んでいます。
将来を見据えた自治体DX化に向け、我が町もスマホによるデジタル化を100パーセント実現に取り組み、役場がその手助けを行っていただきたいと思うところですが、お考えをお伺いいたします

 

3.森林環境税
6月から森林環境税が一人当たり年間1000円徴収される事になりました。
先行的に森林環境譲与税として自治体に交付されていますが、徴収猶予されていた税がこの厳しい生活実態の中でのしかかって来ます。
改めてお聞き致します、森林環境税の目的は何でしょうか。
今、太陽光発電でソーラーパネルを敷き詰めるため広大な森林を伐採し、山が削られています。国立公園の阿蘇山周辺や釧路湿原、知床半島などにも太陽光発電による自然環境が破壊されており、森林環境の整備に充てるこの税の意義や意味が問われています。何のための森林環境税なのでしょうか。
税が私達の暮らしに有効に働き、豊かな生活を、暮らしを守る事に役立てば文句や苦情は言う事はないでしょうが、昨今の状況です。
交付される森林環境譲与税は、当初の目的に沿い我が町に有効に機能していると言えるのでしょうか、林業の担い手の確保、業としての林業の将来性の保障という点に有効に機能していると言えるのでしょうか、森林には二酸化炭素吸収という機能を通じた地球温暖化防止や生命の源である水資源や供給機能、土地保全機能など私達の生活にとって重要な役割は果たす公益性を持っています。
それは林業という経済活動に留まらない、そういう点では費用対効果で推し量ることのできない分野を占めています。
森林の持つ公益性に森林環境税は充当すべきで、採算性の合わない、地域不経済のそういう分野に支出すべきだと思うところです。
海にミネラルをもたらす豊かな川を作る条件を探るために杉ヒノキの針葉樹林帯と広葉樹林雑木樹林帯を比較検討したことがありますが、フルボ酸鉄を作るのは雑木系でした。魚類等の豊富な海は雑木系の山だという事が解りました。印象的には針葉樹林が占める割合が多くても三割程度ではないかと思います。そうした山づくりがこれから大事だということで、それには経済林としての杉ヒノキだけではだめだということです。
そのため、具体的には、杉ヒノキなど針葉樹林の林業の分野の業として成り立たない広葉樹林の育成や課題となっている竹林駆除などに予算配分すべきではないかと思うところで、お伺い致します。

 

4.新美術館
今議会に移転工事請負契約議案が提出されたところで、いよいよ美術館も高台移転が始まり、来年秋にオープン予定で楽しみです。
収蔵品はそれぞれ大事なものです。移転までに、津波被害に遭わない事を願うばかりです。
お尋ね致します。収蔵品は何点で貴重な作品はどういうものがあるか、作者名と併せてお伺い致します。
有名な作品は常設展示して貰えないかと問合せがあります、新美術館は黒潮本陣して隣接という事で、いわば観光としての位置付けが高くなってまいります。企画展も大切ですが、久礼の美術館に行けば有名作家の作品が見られるというのも訪れてくれる人達の動員要素、キャッチコピーにもなります。
黒潮本陣の隣に移転する新美術館は立地条件からして、観光としての役割が大きくなります。道の駅に黒潮本陣そして、美術館。この組み合わせは観光資源としても大いに活かせる組み合わせでもあります。いかがでしょうか展示の在り方。

 

5.日本人の人権感覚
アメリカのバイデン大統領が5月1日、演説で「日本経済が低迷しているのは日本が、外国人嫌いで移民を望んでいないからだ」と発言したと言う報道がありました。
率直に言ってあんたに言われたくないという思いです。
このバイデン大統領は、「核兵器を持てないよう私たちが日本の憲法を書いたことを、トランプは知らないのではないか。彼は学校で習わなかったのか」とも言ったと報道され、日本に対し好意的な人ではありません。
ですが、この発言には岸田首相が、2月3日の「共生社会と人権」のシンポジウムで「残念ながら、我が国においては雇用や入居などの場面やインターネット上において、外国人、障害のある人、アイヌの人、性的マイノリティの人々などが、不当な差別を受ける事案を耳にすることも少なくない」とメッセージを送った事に遡る布石がありました。
この岸田首相のメッセージには逆に批判が相次でいます。
日本は国際標準から見て差別の酷い国でしょうか、もしそうであれば戦後教育として行っている人権教育に重大な課題があるということです。中土佐町人権教育研究協議会の在り方を検証する必要があるのではないかと思いますが、教育長の所見をお伺いいたします。
戦前の日本は軍事国家で暗黒社会であったかのごとく喧伝する人たちがいますが、人種差別において戦前日本は第一次世界大戦後のパリ講和会議国際連盟委員会で国際連盟規約に人種差別撤廃を明記すべきと提案した世界で最初の国でした。残念ながら、この提案は当時のアメリカのウイルソン大統領が全会一致でないと認められないと採択ルールを突然変更し、否決に至りました。
以前にも述べましたが、先の戦争、大東亜戦争の意義について、溝渕増巳知事時代の高知県が昭和49年に発行した「雄魂高知県郷土戦史」では、「日本は物心のすべてを捧げて世界の民族の自由と独立を勝ち取った」という総括をされています。それほどまでに、日本は世界の民族に誠意を示して来たのです。
教育で、この事実をきちんと教えるべきと思うところですが、教育長のご所見をお伺いします。
専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努める国際社会において名誉ある地位を占めたいと思う。国家の名誉にかけ全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓うと日本国憲法に謳っている。この精神に基づき堂々と日本国として某国の行っている人権侵害を主張すべきではないでしょうか。


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プロフィール

佐竹敏彦(さたけとしひこ)

田舎の宝を取り戻す!

昭和26年7月11日生まれ、上ノ加江小中学校、須崎高等学校、高知大学卒業。高知市役所に35年勤務。

高知市社会福祉協議会の職員としての経験やノウハウを活かし生まれ故郷中土佐町の発展を目指す。

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